相模組様 事例

電波が弱い山間地から360°の映像を高解像度で配信
音声と映像が安定したストレスフリーな遠隔臨場を実現

相模組様

1.概要

1918年の創業以来、100年以上にわたって地域に根差した建設事業を展開されている株式会社 相模組様。北アルプスの雄大な自然や地域のニーズに精通した総合建設業として、建築、土木、住宅事業を幅広く手掛け、豊かな地域社会の発展を支えられています。 相模組様では、砂防工事やダム建築といった公共工事も多いことから、国土交通省が進める遠隔臨場への対応が不可欠となっていました。ただ、現場は山間地の狭隘などにあり、電波が非常に弱い環境であることがほとんどです。こうした制約の多い状況下でもスムーズに遠隔臨場を行う方法として、RICOH Remote Fieldを採用いただきました。 RICOH Remote Fieldを使うことで、電波状況が悪い山間地でも360°の映像をリアルタイムに配信することが可能に。現場と閲覧者を臨場感ある映像でつなぎ、円滑な遠隔臨場を実現されています。 また、RICOH Remote Fieldならではの汎用性を活かし、安全パトロールや災害防止協議会でも活用。今後は、建築・住宅事業への展開や、建設業のダイナミックな魅力を学生や地域の皆様へPRしていくツールとしても、活用を検討されているそうです。

2.課題と効果

【導入前の課題】

  • 現場にも閲覧者にも負担の少ない方法で、遠隔臨場を行う方法を探していた。
  • 現場の多くは山間地にあり、電波状況が悪い。
  • 従来の方法では、閲覧者から見える画角が限られていた。

【導入後の効果】

  • 現場と閲覧者を臨場感のある映像でつなぎ、スムーズに遠隔臨場を実施できる。
  • 電波が弱い現場でも、高画質な映像を配信できる。
  • 360°の映像で死角がほとんどなくなった。

3.選定のポイント

  • 360°の映像を配信できる。
  • 電波が弱い状況でも、安定した音声と映像を維持できる。
  • 様々なツールと互換性があり、幅広い用途で使いやすい。

4.導入の背景と効果

事業概要を教えてください。

荒井 良太様
株式会社 相模組 土木部 一級土木施工管理技士 荒井 良太様

相模組は1918年の創業以来、地域に根差した総合建設業として、建築、土木、住宅事業を幅広く手掛けてきました。100年に渡ってこの地で実績を重ね、地域の自然環境やニーズに精通していることが私たちの強みです。例えば土木部門では、北アルプスの雄大な自然を相手に安全第一の工法を追求し、国土交通省などから表彰を多数いただいています。 また、これからの100年も地域の皆様から必要とされ魅力を感じていただける企業であり続けるために、若手の人材育成や、ICT導入、DXも積極的に進めています。多様な現場経験により培われた技術力はベテランから若手へ、ICTやDXなどの新しい技術は若手からベテランへ、役職や社歴を超えて学び合い、高め合う風通しの良さも、相模組の強み一つだと思っています。

遠隔臨場への対応はどのように進められてきたのですか?

土木部門では、砂防工事、ダム建築、道路整備といった公共工事を主に施工しています。国土交通省が進める遠隔臨場への対応は必須だと考え、早くから準備を進めてきました。 できるだけ現場に負担をかけずに精度の高い遠隔臨場を行うにはどうすれば良いか、様々なツールを試す中で出会ったのがRICOH Remote Fieldでした。

RICOH Remote Fieldを選んだ理由を教えてください。

何と言っても360°の広い視野で現場を俯瞰でき、死角のほとんどない映像を配信できるところですね。そして、電波が弱い環境でも配信できる点に非常に興味を持ちました。私たちが工事を行う現場は、山間地の狭隘など非常に電波が弱く、携帯電話も使いづらい環境であることがほとんどです。「現場でつながること」が必須条件である中、360°の映像と低遅延を両立するRICOH Remote Fieldは、まさに私たちが求めていた製品でした。

どのような現場でRICOH Remote Fieldを活用されたのですか?

篭川に生息するイワナなどが川の上流へ行けるように魚道を整備する工事と、篭川橋の完成に伴い不要となった仮橋を撤去する工事において、遠隔臨場で使用しました。RICOH THETAは定点撮影用に三脚に固定。iPhoneとiPadでスケールの目盛りなど細かな点を撮影しました。 5カ月間の工期中に、10回以上、発注者である国土交通省 北陸地方整備局による立会が必要な工程があったのですが、今回は全てRICOH Remote Fieldによる遠隔で行いました。

篭川第2号帯工地区

遠隔臨場を行ってみていかがでしたか? RICOH Remote Fieldの導入効果を教えてください。

360°の映像を配信できるメリットを改めて実感しました。閲覧者が画角を自由に操作できるので、カメラで映す場所を現場へ指示する必要がなく、スムーズに遠隔臨場を進めることができました。 360°の映像にiPhoneやiPadの撮影者が映っている効果も、想像以上に大きかったですね。現場は非常に広く、iPhoneやiPadでズームで表示されている映像だけを見ても、それが現場のいったいどこなのか、分からないことが多いのです。その点、RICOH Remote Fieldは、全体を俯瞰する360°の映像と、iPhoneやiPadで特定の場所をズームアップした詳細な映像を並べて表示できるので、現場の状況をひと目で把握できます。360°の映像無しで遠隔臨場をやろうと思ったら、現場と閲覧者のコミュニケーションに時間がかかり、双方にストレスがかかってしまっていたと思います。

通信の安定状況、映像のクオリティーはいかがでしたか?

ポケット型Wi-Fiやスマートフォンのテザリングで、問題なく配信できました。電波が弱い現場での使用を想定したRICOH Remote Fieldは、通信の安定性と映像のクオリティーがやはり高いですね。山間地でも特別な通信手段を用意することなく、高解像度の映像を低遅延で配信できるのは大変助かります。リモートで映像を閲覧された国土交通省の皆様にも、満足いただけたのではないかと思います。

RICOH THETAで撮影した360°映像(左)と、iPhoneでズームアップした映像(右)を、RICOH Remote Fieldの画面に並べて表示。
RICOH THETAで撮影した360°映像(左)と、iPhoneでズームアップした映像(右)を、RICOH Remote Fieldの画面に並べて表示。

遠隔臨場だけでなく、社内の安全パトロールや災害防止協議会でもRICOH Remote Fieldを使用されているそうですね。

はい。現場まで赴いて行っていた作業が社内から行えるようになり、移動時間の短縮と生産性向上につながっています。 安全担当者からは、現場に行くよりも細かく確認できるようになったという声も届いています。現場での安全パトロールでは、時間の都合上、数名で手分けして各所を回るのですが、RICOH Remote Fieldを使うことで、1カ所1カ所を複数名でより丁寧に確認することが可能になりました。RICOH Remote Fieldによる安全パトロールが、現場の安全性をさらに高めてくれるのではないかと期待しています。

社内でRICOH Remote Fieldを使用している様子

今後の活用についてお聞かせください。

土木事業だけでなく、建築事業、住宅事業にもRICOH Remote Fieldを展開していけたらと思っています。さらに、社外へのPRに活用することも検討中です。皆さんがなかなか目にすることがない山間地での私たちの仕事や、現場のダイナミックな魅力を、広く発信していけたらいいですね。

5.お客様プロフィールと導入ソリューション

株式会社 相模組様

株式会社 相模組様

https://www.sagamigumi.co.jp/

■会社所在地

長野県大町市大町3052


■事業内容

  • 国土交通大臣許可の特定建設業(土木工事、建築工事)
  • 宅地分譲・販売、住宅設計・施工、増改築、リニューアル、リフォーム
  • 不動産の売買

■従業員数

94名(2022年4月1日現在)